私がメンタルヘルスの専門家から学んだこと

過去20年間に渡り、私はメンタルヘルスの専門家から多くのことを学んできた。これらはICD-11精神および行動の障害の章とGCP Networkに影響を及ぼしており、現在取り組んでいる我々の仕事にも影響を与え続けるだろう。

以下に最も重要な3点を示す:

  1. 実臨床に基づく専門的意見こそが現実である。臨床家と彼らの関心がICD-11精神および行動の障害の開発において、中心的要素を占める。それを受け、その分類は科学に基づくべきであるにも関わらず、臨床家が議論にどう貢献できるかに疑問を呈す人もいる。他方で、臨床家の“好み”に基づいてカテゴリーと診断に必要な事項を決定する、ある種の人気コンテストのようなものとしてICD-11精神および行動の障害の開発を行うと考える人もいる。実際には、ICD-11 Working GroupはICD-11ガイドライン案の開発に利用しうる科学的根拠を十分注意深く検討しており、すなわちこの場合には科学と臨床が相反するというのは誤りである。

    しかし、臨床的な有用性を中心に据え、ICD-11が重要な科学的課題として臨床家によって正確かつ容易に用いられることを重視し、しっかりとした研究課題を開発するために、我々は伝統的なエビデンスレビューのさらに先へ進んだ。 この研究課題は既に重要な知見を作り出している。ICD-11精神および行動の障害のための国際諮問グループは、“身元、資格、治療選択が定義される状況で正確で多様性に富み、かつ臨床的に有用な分類システムによって支持される場合にのみ、人々は最も適切なメンタルヘルスサービスにアクセスする傾向をもつ”と述べている。もし臨床家がICD-11を臨床的に有効で時間をかける価値が有るものとしてみなさないならば、一貫して適用はしないだろう。その場合、ヘルスエンカウンターレベルで収集された情報は、システム、国家、あるいは世界レベルでの保健政策や資源の配分のための有効な基盤となれないのである。

  2. 臨床家は科学に関心がある。GCP Networkを通し、何千もの臨床家がICD-11の実地調査に関係している。GCP Networkメンバーは、ICD-11をよりよくするのに時間や労力を捧げるほど十分に、ICD-11が彼らの生活やケアにどう影響するか理解している。我々の調査に参加する機会に対する反応の大きさは私が予想したものをはるかに超えている。 [Paragraph] このことにより私はGCP Networkがより大きな問題とも関連していることについて考えた:我々の多くは、日常から、しばしば実施が難しいものの科学者でありかつ臨床家であるとして訓練されている。大抵の精神保健専門家は、十分に行き渡るサービスがなく研究に直接的に関与するにはあまり意味がありそうでも実現しそうでもない世界で、膨大な臨床的な需要により圧倒されている。GCP Networkは保健の専門家を、彼ら自身以上の規模で彼ら自身の仕事と直接関連する結果と結びついた研究への参加という、現実的で持続的なモデルに提供している。これに関し、GCP Network調査への最もよい参加の形は、低−中所得の国で働く臨床家の中に見つけられることは注目すべき点である。
  3. 臨床家は良い仕事をしたいものである。人々は他人に貢献したいという希望がありメンタルヘルス専門家となる。彼らは日常的に困難で、かなりの個人的な犠牲を払い、時には悲痛ともいえる分野で働くことを選び、その役割で可能な限り役に立とうとモチベーションを上げている。今後の数ヶ月、数年をかけて、ICD-11の開発およびさらなる活動を通し、我々はGCP Networkを診断および実臨床と関連した手段、学習、資源のためのより活発なプラットフォームへと育てていく予定である。過去数十年に渡り保健専門家の権威と尊厳は多くの分野の批判にさらされてきたが、我々はGCP Networkがそれを取り戻すのに貢献すると信じている。臨床的有用性はこれまでICD-11精神および行動の障害の開発のリトマス紙権であったように、今後も我々の尽力のリトマス試験としてあり続けるだろう。

だからこそ、あなたが我々の新しいGCP Networkのプラットフォームから有用なものを受け取り何が不要かを教えてくれることを我々は期待している。このプラットフォームはあなたにつながる我々の道筋として意図されている。我々は世界中の熱心な協力者で驚くべきチームを構成しており、あなたがその一員となることに敬意を表する。

我々は邁進しているのである。